和歌山出身同士の落語家・桂枝曾丸と漫画家・マエオカテツヤが、他所で共に意識したことは、和歌山弁の持つ多大な魅力と方言の愉しさでした。
 のちに地元和歌山で出会った二人は意気投合、どちらともなく、両者の職業的特性を活かし全編和歌山弁の新作落語の制作に取り組むことになりました。
 独自の方言と文化をテーマにした和歌山弁落語は、発表早々多くの反響を呼び、瞬く間に和歌山に定着しました。
 いまやひとつの大衆文化となりつつあるといえます。

 和歌山弁落語には、常に主人公として「おばちゃん」が登場します。「和歌山弁」の代弁者として、また、「和歌山の文化」を映す鏡として、日常風景の中で活き活きと描かれる彼女らの振る舞いは、緻密な人間観察のひとつの結実であるといえます。
 また、「おばちゃんカツラ」を被って熱演する枝曾丸のパフォーマンスも見逃せません。これが寄席などのライブ公演で高い動員数を呼ぶ要因のひとつとなっており、一度見たものの心を捉えて放しません。「幅広い年齢層に受け入れられやすい」と、教育関係者からも高い評価を受けています。
 これまでに制作された和歌山弁落語は四作。年一作づつ制作され、秋の独演会「わかやま芸品館」で毎年新作がお披露目されます。